1+2+3+4+・・・がマイナスや分数に!認めて発展してきた数学の歴史 その6




数学の歴史は「認める」の歴史です。

この話は第6話。これまでの話はこちら。

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ここまでのおさらい

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ここまでの内容をおさらいしましょう。

第1話では、今ある数に新しい何かを「認める」ことの話をしました。

第2話では、極限の話をしました。{-1} < x < 1 のとき、x^n の極限が0になるという話をしました。

第3話では、無限等比級数の話をしました。第2話と同じく、{-1} < x < 1 のとき
1+x+x^2+x^3+\cdots=\dfrac1{1-x}
となる話をしました。

第4話では、微分の話をしました。この一連のお話の中で出てくる式を微分できる程度の知識のお話をしました。

第5話では、第3話で出てきた無限等比級数の式を微分して、代入してはならないはずの x=-1 を代入しちゃいました。

ここまでで、
1-2+3-4+\cdots = \dfrac14
っていう、とんでもない結果が出てきて、これが正しいと認められてます。

1から全部足してみよう

1から10までの整数を全部足すとどうなるか。小学生でも分かる問題ですね。55になります。

1から100までだったら?5050ですよね。

じゃ、無限に足し続けたらどうなるんでしょう。当たり前ですが、どんどん大きくなるに決まってますよね。

では、S=1+2+3+4+5+6+7+8+9+10+\cdots とおいてみましょう。

じゃ、4倍してみましょうね。なぜかって?4倍したいからに決まってるじゃないか!
4S=4+8+12+16+20+\cdots
これも無限に続きます。

じゃ、引いてみましょうか。
S=1+2+3+4+5+6+7+8+9+10+\cdots
4S=4+8+12+16+20+\cdots
左辺は S-4S=-3S ですね。

右辺は、2,4,6,8,10という偶数のところから、4,8,12,16,20という4の倍数を引くと、
-3S=1-2+3-4+5-6+7-8+9-10+\cdots
って、こうなるわけですよ。

ほら、あいつじゃん!第5話で出てきたあいつじゃん!言うこときかないあいつじゃん!

やっちゃいけないって言うのに、マイナス1を入れることを強行したあいつじゃん!

つまり
-3S=\dfrac14
ってなっちゃうんだよな、これが。よって
S=-\dfrac1{12}
つまり
1+2+3+4+\cdots=-\dfrac1{12}
ってのが成り立っちまうんだよぉ!

ど〜〜〜考えてもおかしい!

いやいやいやいやいや。これはどう考えてもおかしいだろ。

だって、1から順に整数を足していっただけですよ。プラスの数しか足していないんですよ。整数しか取り扱っていないんですよ。

なのに、それを無限に続けていくと、-\dfrac1{12} になるだなんて、悪ふざけにも程がある。

プラスの数を足し続けて、なぜマイナスの数になるの?

整数ばかりを足し続けて、なぜ分数になるの?

口笛は、なぜ遠くまで聞こえるの?

それはハイジがめっちゃ高いところでブランコで遊んでるから。これはいい。

納得できん!-\dfrac1{12} だけは納得できん!

数学の世界では常識

でもね。これって実は、数学の世界では「常識」レベルで認められてることなんです。

ウィキペディアにも「1+2+3+4+…」っていうページがあるほど、広く知られてるお話なんです。

もうね。数学奇人の頭の中って、どうなってるのか本当に分からない。全く理解できない。

頭が良すぎるんだろうと思うんですけど、むしろ頭が悪い。

小学生が学校で担任のハナコ先生に

ハナコ先生
は〜い!今日は足し算のお勉強をしますよ〜。

ガキども
はぁ〜い

ハナコ先生
1+2+3+4+・・・ず〜っと足したらどうなるかなぁ〜?

数学奇人小学生
マイナス12分の1だ、コノヤロウ!

もうね。担任のハナコ先生、号泣ですわ。自我が崩壊しますよ。

ハナコ先生は子どもたちが元気に成長する姿を見るのが好きで、幼少の頃から憧れていた小学校の先生になったんです。

大学では音楽を専攻し、子どもたちと楽しく歌って、楽器を演奏して、一緒に成長していきたいと、希望に胸を膨らませ。

でも、実際の胸はそんなに膨らんでいるわけでもなく。むしろ、背中との区別がつかないレベル。

そんな希望に満ちたハナコ先生が、子どもたちに当たり前のように出題した自然数の和を求める問題が、こともあろうに負の分数。

ハナコ先生の落胆ぶりがいかに激しかったか、想像に難くありません。

これでも数学は 1+2+3+\cdots = -\dfrac1{12} が正しいと言うのか!本当にそれでいいのか!

モンスター群のムーンシャイン現象に関するモノグラフでテリー・ガノンはこの等式を「自然科学において最も注目すべき公式の一つ」と評した。

・・・すげえ大事な公式なんだそうです。