私は文具が大好きです。文具屋に行くとワクワクします。ドキドキします。ソワソワします。行動が怪しくて補導されそうです。
文具屋に行くとワクワクする
文具屋は一日中いても飽きませんね。楽しいです。次々と新しいアイデアが湧いてくる気がします。
電器屋とはちがうワクワク
私は電器屋も好きです。新製品やテクノロジーの詰まった電化製品を見ると、これまたワクワクして一日中いても飽きません。
ただ、文具屋と電器屋で感じるワクワクは、種類が違います。
電化製品には、「大きな知恵」の詰まったテクノロジーがあります。
文具には、「小さな知恵」の詰まったテクノロジーがあります。
「大きな知恵」とは、説明されてもよくわからないけど、なんだかすごい!という知恵のことを言っているつもりです。例えば最新の洗濯機が、特別なイオンを発生する装置を搭載していて、今までよりも少ない洗剤の量でめっちゃキレイになる、って言われても、「特別なイオンを発生する装置」がよくわかりません。でも、キレイになるのはすごい。そういう感じです。
「小さな知恵」とは、見ただけでそれが何をしているのか分かる。でも自分では気づかなかった。これに気づいた人、すごい!という知恵のことを言っているつもりです。文具屋にはこういった知恵がたくさん詰まっている気がするんです。
ちなみに、「大きな知恵」「小さな知恵」は、いま私が勝手に作った言葉ですので、ぐぐっても出てきません。
作る人の頭の良さを感じる
「頭が良い」というのは、学校の勉強ができることとイコールではありません。人が気づかない何かに気づき、そこに価値を生み出すことが出来る人を「頭が良い」というのだと思います。
消しゴムは誰もが知っている文具です。おろしたての消しゴムの、「カド」の部分が消しやすい、よく消える、ということはみんな知っていました。
みんな知っていたんだけど、その「カド」を一つの消しゴムにたくさん作っちゃおうって考えるのは頭の良い人の思考です。
ステープラー(いわゆる「ホチキス」)も、みんなが知っている文具です。紙を綴るために使うアレです。ヤングマガジンとかスピリッツのような雑誌が、ページの真ん中でホチキス止めされてます。中綴じって言います。
普通のホチキスでは、中綴じは難しいです。ホチキスの挟む部分の長さが、なかなか真ん中まで届かないからです。下の「ホッチくる」は、写真のグレーの部分が90度回転します。そうすると、紙の横からでなく、紙の上下から中綴じが可能になるんです。これを初めてみたとき、あまりの頭の良さに鳥肌が立ちました。
100均の文具コーナー
100均ショップの文具コーナーでも、同じようなワクワクを感じます。100均ならではの安い文具。安いものに価値をつけるには、知恵しかありません。100均の文具には知恵の詰まったものがたくさんあります。
ただ、その知恵は当然普通の文具メーカーも真似してきますので、すぐに100均でない文具にも盛り込まれます。逆もしかりです。要は、文具は知恵のかたまりなんです。
ペンが変わるだけで気分が変わる
100均ショップで買ったボールペンを使い始めただけで、モノを書くときの気分が変わります。万年筆を買って、机の前で手に持っただけで、ボールペンを持っている時と全く違う気分の自分に気づきます。普段使っていたシャープペンシルを、鉛筆に持ち替えるだけで、書き味の違いに気分が高揚します。
ペンが1本変わるだけで、気分が変わります。気分が変わると、仕事が変わります。仕事が変わると、生活が変わります。生活が変わると、人生が変わります。
大げさな話、ペン1本で人生を変えるだけの力があるかもしれない。そう考えると、文具屋で文具を見る目がまた変わり、長居をしてしますんです。