アインシュタインは、相対性理論で「光速一定」を仮定しました。その結果、どのようなことが起こるのでしょうか。
タイムマシンはこうすれば作れる
単刀直入に言うと、光速一定であれば、物体は未来へ行くことができます。
つまり、タイムマシンを作ることができます。実際にタイムマシンを作るメカニズムを考えてみましょう。
光時計
「光時計」というものを想像してみてください。光が出る所が下面にあり、上面にある鏡と向かい合わせになっていて、光が出てから鏡に当たり、戻ってくるまでの時間が1秒であるような、巨大な時計です。
光は秒速30万kmで進みますので、光源から鏡までの距離は15万kmです。高さ15万kmのとてつもなく大きな時計ですから、実際に作ることはできませんが、頭の中で想像してください。
このでっかい時計を電車の中に置きます。電車の中でこの時計を見ているAさんと、電車の外でこの時計を見ているBさん。どちらがこの時計を見ても、光が1往復でジャスト1秒。間違いありません。
しかし、この電車が走っているとき、おかしなことが起こります。電車の中のAさんにとっては、光は真上に上がって真下に降りてくるだけです。1秒です。
電車の外で見ているBさんから見た光は、これとは違います。光は下面から出て、0.5秒後に時計の上面の鏡に当たります。
ところが、0.5秒の間に電車は移動していますので、Bさんから見ると光は斜めに上がっていくように見えるはずです。降りてくる時も同様ですので、電車が等速度運動をしているならば、光は二等辺三角形の二辺を描くことになります。
これは明らかにAさんがみた光よりも長い距離を進んでいます。でも同じ1秒です。
光速一定で変わるのは時間
電車の中のAさんは30万km進む光を見ました。
電車の外のBさんは30万kmよりも長い距離を進む光を見ました。
でも、光の速さは変わらないんです。ということは、AさんとBさんで何が変わったのか。それは、時間が変わったんです。
移動している人の時間は、止まっている人の時間よりも長くなる。こういうことになるんです。
移動している自分は1時間しか経っていないのに、外にいる人達は2時間も3時間も経っている、という感じになるんです。
これを突き詰めていくと、自分は1秒しか経っていないのに、相手は1年も時が進んでいる。つまり、自分から見れば、たった1秒で1年後の世界に行ける、つまり「未来に行ける」ことになるのです。タイムマシンは作れるのです。
原子時計で実証済み
1971年に物理学者ジョー・ハーフェルと、リチャード・キーティングがある実験を行いました。
原子の振動で時間を刻む「原子時計」を2つ用意し、片方は地上、もう片方は飛行機に積みます。この原子時計、めっちゃ正確で、1億年に1秒の狂いしか出ません。
その飛行機はそのまま、世界一周旅行をしたのです。その結果、なんと飛行機内の時計の方が、地上の時計よりも若干、遅れていたのです。
その遅れはわずか10億分の59秒でしたが、この値はアインシュタインの理論が予測した大きさとピッタリ一致しました。こうして、「未来に行ける」ことが実証されたのです。タイムマシンが作れることが実証されたのです。
光速は超えられない
物体にエネルギーを与え、加速していきます。スピードは上がり、どんどん速くなります。
さらにエネルギーを加え、加速させます。しかし、どんなに頑張っても、光の速さを超えることはできません。
エネルギーを加えると、スピードは上がるのですが、その分、加速に必要なエネルギーも大きくなります。
そして、その物体を光速にするためには、無限大のエネルギーが必要になるんです。
0は何倍しても0
ただし、どんなにスピードが上がっても、加速のためにエネルギーを必要としない場合が考えられます。
それは、質量が0である場合です。0は何倍しても0ですので、それを加速するために必要なエネルギーも0です。
つまり、質量0の物体を作ることができれば、理論上光速に達することが可能になるはずです。
質量0の物質って?
では、質量0の物質って作れるんでしょうか。私は作れると思います。それは「情報」です。
電気信号である「情報」には質量はありません。将来、技術の発達で未来に電子メールを送ることができるようになるかもしれません。過去に電子メールを送ることができるようになるかもしれません。
その電子メールに私の遺伝子情報、脳内のすべてのデータ、思考、記憶等を完璧に電子データとして添付することができ、かつ、私の容姿、身体の性能等を忠実に再現できる3Dプリンターが開発されていれば、データを送って未来で私を印刷することで、私を未来に連れて行くことが可能です。
「タイムマシン」と「どこでもドア」は、この方法で実現が可能です。いかがでしょう。