五輪三連覇の野村忠宏選手
アトランタ、シドニー、アテネの3つのオリンピックで金メダルを獲得した野村忠宏選手が、第45回全日本実業柔道個人選手権大会をもって現役を引退しました。
1回戦と2回戦はともに得意の背負投で秒殺。しかも、1回戦は高い背負投、2回戦は低い背負投と、違う種類の背負投です。
立ち背負いと座る背負投は、私は全く別の技だと思っています。入り方も違うし、相手を投げる理合いも違う。体力も衰えた引退試合で、全日本級の試合で、この技のキレ。さすがの天才です。
しかし3回戦は相手選手の大車に回ってしまい、逆に秒殺されてしまいます。あまりにもあっけない、天才の最後でした。
私のような凡人と一緒にしてはいけませんが、歳をとると体が自分の意思と違う動きをするんですよね。
出てるはずの足が出ていない。
回ったはずの体が回っていない。
避けたはずの相手の技をガッツリ食らっている。
止めたはずの相手の技で宙を舞っている。
最後の大車を食らった時の動きは、まさにそんな感じだったように思いました。
野村選手、本当にお疲れ様でした。今度は教え子に五輪4連覇をさせるのがあなたの仕事ですよ。