じゃんけんの勝敗は偶然に決まるものではありません。勝負です。駆け引きです。
じゃんけん
じゃんけんは偶然性に多く支配されるゲームだと認識されていますね。
数学の確率の問題でも、じゃんけんを題材にしたものがよく作られます。
10人がじゃんけんをして、1人だけ勝者が決まる確率を求めてみましょう。
10人のうち、誰が勝つかで10通り。
その勝者が、グー、チョキ、パーのどれを出して勝つかで3通り。
他の9人は全員その手に負ける手を出すので1通り。
したがって、1人だけ勝つのは
一方、全員の手の出し方は
ゆえに、1回のじゃんけんで1人だけ勝つ確率は
つまり、約2000回に1回の確率ですね。
しかし、これはグー、チョキ、パーのどの手を出すかが全て3分の1の確率であるという前提でのお話です。
手の出方は同じ確率じゃない
じゃんけんの手は、人間が考えて判断して出すものです。
人間は完全にランダムに何かをすることができないんですね。何らかの癖や思考が絡んで手が出ます。
じゃんけんに勝つためには、人間の癖や思考を的確に捉え、戦略、戦術を練って勝負に臨む必要があります。
じゃんけんに勝つための基本戦術
相手が出さない手を見極める
例えば、相手がチョキを出さないとすると、出す手はグーかパーです。
これがわかっているのにグーを出す間抜けはいませんよね。負けかあいこです。
チョキも出しませんよね。パーには勝ちますが、グーを出されると負けます。
当然、出す手はパーです。悪くてあいこ、負けはありません。
相手が出さない手なんてわかるはずがない?それがわかる場面があるんです。
相手が出す手を見極める
これがわかれば、勝ちですよね。
相手の直前の動作や、手を出す前の手の動き、直前の試合結果などから見極めます。深層心理の駆け引きです。
この2つの基本戦術を発展させ、じゃんけんに勝つための7つの心得です。
その1 初心者はまずグーを出す
重要な選択のかかった勝負。自然と力が入ります。拳を握りしめます。
何も考えずにじゃんけんをする初心者は、最初の手でグーを出す確率が非常に高いのだそうです。
グーには「強い」「殴る」「ガッツポーズ」というイメージがあり、そのようなイメージも最初のグーには影響しているようです。
その2 最初はチョキ
その1と矛盾してますか?いいえ、矛盾してません。
上級者は、グーが出やすいことを知っています。当然、最初にグーを出すことはないでしょう。
つまり、「相手が出さない手を見極めた」のです。
ということは、出す手はチョキですね。
その3 2連続のあと
例えば、相手がチョキ、次もチョキを出した後の勝負において、3回連続でチョキが出ることは確率としてかなり低くなりますね。
機械が出す手であれば、チョキが2回続いたところで3回目にチョキが出る確率は3分の1で変わりませんが、手を出すのは人間です。同じ手を3回連続で出すのは躊躇します。
つまり、グーかパーの出る確率が高くなりますので、出す手はパーです。
その4 自分の出す手を言う
自分が出す手を先に宣言し、その通りの手を出します。かなり高度な心理戦ですね。
「グーを出す」と宣言すると、相手はその言葉を疑い、パーを出すことをためらうでしょう。
すると、相手が出す手はグーかチョキ。ならば出す手はグーです。
その5 考えるより先に手を出させる
次に何を出すのかを考える暇を与えないほどに速くじゃんけんをします。
考える時間が少なく、焦った状態であればあるほど、人間は直前に勝った手で勝とうとします。
相手が直前にパーで勝ったのであれば、次もパーで勝とうとするので、チョキを出せば勝てます。
その6 つぶやき戦術
じゃんけんする前に、相手に「グーはチョキに勝ち…」と言いながらグーを相手に見せます。
次に「チョキはパーに勝ち…」と言いながらチョキを相手に見せます。
「パーはグーに勝つ」と言いながらパーを相手に見せます。
すると、相手の出すパターンが深層心理のレベルで固定され、相手が見た順番で手を出しやすくなるんです。
「ピザピザピザ…」と10回言わせてから、肘を指差して「ここは?」と尋ねると「膝!」と答えてしまうのと似たような操作です。
その7 困ったらパー
相手も上級者で、心理戦もお互いに読み尽くし、訳がわからなくなったとき、困ったらパーを出しましょう。
これは、統計を取ると、じゃんけんの大きな大会において最も出されなかった手は「チョキ」なのだそうです。困ったらパーです。
じゃんけんは心理戦
とにかく、じゃんけんは心理戦です。
ただ、相手のレベルを見極めないと失敗します。
初心者相手に、ウラのウラをかいて表で勝負すると、最初のグーで負けちゃったりします。
じゃんけんの世界チャンピオンになってみませんか?