「ない」ということをアピールするのは簡単ではないんですよ。
クイズ番組
数年前に、テレビでクイズ番組を見ていました。
何気なく見ていた番組だったんですが、ある問題のときにわたしが固まっちゃいました。
その問題は、5秒で答えなければならない問題でした。マルかバツで答える問題です。
この問題、恐ろしくないですか。わたしはゾッとしたんです。
その解答者は、4つの都道府県をすぐに見つけたんです。3秒ほどでした。
4つ見つけても4つだとは限らない
でも、ここで「マル」って言えないんです。だって、そうでしょう。
「島のつく県が4つ」を自信持って言うためには、残りの43の都道府県に「島」がついていないことを確認しなきゃいけないんです。残り2秒で。
完全にテンパっている解答者でしたが、次の瞬間、全ての人を納得させる一言を発したんです。
正解はバツです。文句なしの正解です。
この問題を考える
この問題、やはり考えれば考えるほど恐ろしい問題です。
上にも書いたように、もしもこの問題が「島のつく都道府県は5つである。マルかバツか」だったとしたら、5秒で答えられる問題ではありません。
6つ目の「島のつく県」が「ない」ことを証明するためには、全ての都道府県を確認する必要があるからです。
逆に、「ある」を証明するのは簡単です。見つけれ来ればいいんです。
17世紀にフェルマーが
簡単にできないと言わない
わたしは来年、50kgまで痩せることができる
これを証明するのは、簡単です。痩せて見せればいい。
わたしはどんなことをしても来年、50kgまで痩せることができない
この証明は難しい。すべての努力をやりつくすことができないからです。
心が弱い人間は、すぐに「できない」と口にします。わたしもそうです。でも、数学奇人は簡単に「できない」と言えないことを知っています。