数学の歴史は「認める」の歴史です。
数えることから始まったはず
人類が生まれて、人類が数学を作りました。
数学って、初めからそこにあったものでは無いですよね。
人類が知恵を持ち、生活をしていく中で、「数」に価値を感じ、「数える」ことに価値を見いだし、数学は誕生したはずです。
まずはモノを数えることから始まったはずです。
という、「自然数」が人類の歴史に登場したんだと思うんです。
のように、数を数えることは、人間の生活で大変価値のあることだったはずです。
「足りない」を認める
取引をしていく中で、人は「足りない」の存在に気付いたんだと思うんです。
ここで、人間は「マイナス」の数を「認める」んです。
モノを数えるだけなら、マイナスの数は必要ないはずなんです。しかし、マイナスに気付き、認めることで、より高度な「数」を扱うことができるようになるんです。
「ゼロ」に気付いた天才
人間が「ゼロ」に気付くのは、かなり後になってからだそうですね。
わたしたちは、生まれたときから算数や数学を知っている大人が周りにいたので、「ゼロ」の存在は当たり前のように知っています。
でも、誰も「ゼロ」を知らなかったのに、それに気付く人ってすごくないですか。
だって、ゼロって「無い」んですよ。「無い」ことをゼロって言うんです。そのゼロがあるって、誰も知らなかったら誰も考えませんよね。
多くの人が、数を考え、数学を考えて、-1と1の間に何かがあるはずだということには気付いていたみたいなんです。でも、それが何かが分からない。だから、とりあえず-1と1の間にはマルを書いておこう、というのがゼロの始まりだそうです。
人は、「無い」があることを認め、0の存在を認め、「整数」が完成しました。
0と1の間の数を認める
間違いなくあるんだから、0ではない。でも、1つよりは小さい。0と1の間の数は、ただ数えるだけの生活では必要なかったはずなんです。
しかし、それを認めることで、さらに高度な数を扱うことができるようになるんです。
ここに分数(有理数)が生まれました。
無理数を認める
有理数の完成で、すべての数が出そろったように思われました。
しかし、どの時代にも頭の良いやつはいるものです。
どんどん2に近づいていきますが、ちょうど2になる数を見つけることができません。
ということで、2乗して2になる正の数を
人は調子に乗る
人はどこまでも調子に乗ります。
ここに虚数が生まれます。二乗して負になる数を認めてしまいました。
ただ闇雲に認めるわけじゃない
ここまで「認める」と書いてきましたが、思いついたことをただ闇雲に認めるということではないんです。
その数を認める前までに平和に成り立っていた数の計算のルールや関係が、新しいものを認めることで壊れてしまっては、認める価値がありません。
新しい数を導入する際に、どのようなルールで、どのようなしくみで計算をすれば、今までのルールに影響を及ぼすことなく追加できる、という熟慮があって、初めて認められるんです。
これを「well defined」っていうんです。
しかし、いろんなものを認めることで、不思議なことが起こるようになります。
つづきます。