我が家はIHクッキングヒーターを使っており、土鍋が使えません。土鍋を使うときはカセットコンロを利用しています。
IHクッキングヒーター
先日、土鍋で米を炊く記事を投稿しました。
IHクッキングヒーターは電磁調理器とも呼ばれ、ガスや火を利用せずに電力で加熱をする調理器です。
何かを燃やすことをしないので、空気を汚すことがありません。防火の面でもメリットが有ります。
磁力を用いた発熱なので、磁石にくっつく鉄、ホーロー、ステンレスなどの金属製の鍋やフライパンでないと使えません。
土鍋は土でできている
土鍋は土から作られています。土は磁石につきません。だから、土鍋はIHクッキングヒーターでは使えません。
では、また明日!
・・・こんな記事を書いていたら、明日は誰も読みに来てくれませんね。
IHクッキングヒーターが普及し、IH対応の土鍋なども市販されていますが、なかなか高額です。
昔から使っている土鍋をIHクッキングヒーターで使えず、土鍋を使う時だけカセットコンロを使っているのはうちだけではないと思います。
古い土鍋や100均で売っているような土鍋ををIHクッキングヒーターで使う方法はないのか、考えていました。
磁石さえつけばいい
磁石がつくものがあれば、それが発熱するのがIHヒーターの原理です。つまり、磁石さえつけばいいのです。
土鍋の中に鉄の玉を入れて、鍋底に磁石を当ててみました。磁力は届いているようでした。これはいけるのではないか、と思い、実験してみました。
用意したのは100均の鍋敷き
通常の土鍋です。
100均ショップで買った金属製の鍋敷きです。
これを、土鍋の中に入れます。
水を入れ、これをIHヒーターにかけて、磁力が届けば、鍋敷きが発熱し、水が熱されるのでは。
やってみました。
確実に力が伝わっている
土鍋をそのままIHヒーターにかけたり、鍋などを載せずにスイッチをいれると、通電していないことを表すランプが点滅します。
しかし、今回はランプが「点滅」ではなく「点灯」。確実に通電しているようです。
しばらくすると、
鍋敷きの表面に気泡が!確実に熱が発生してます!
土鍋に蓋をして、しばらく待ってみました。
蓋の穴から湯気が!
完全に熱が加わっています。蓋の穴から湯気が出てきました。その勢いはどんどん増していきます。実験はほぼ成功です。
そしてついに!
沸騰です!ブクブクです!グラグラです!
土鍋をIHヒーターで使うことができます。高いIH用の土鍋を買わなくても、たかが100均の鍋敷きでIHクッキングヒーターでも土鍋を使うことができます。
私は科学者
ある事物や現象を説明するにあたり、仮説を立て、再現性を持つ実験や観測を行い、その結果に矛盾しない説明を選びだすプロセスの事を「科学」と呼びます。
IHヒーターで土鍋を使うという事柄について、土鍋の中に磁力さえ通れば熱が伝わるのではないかという仮説を立て、100均で買った鍋敷きを土鍋の中に入れて通電させる実験、観測を行い、実際に水を沸騰させたという結果から、鍋の中に熱が伝わったという矛盾しない説明をしました。
つまり、私が今回やったことは紛れも無く「サイエンス」です。「サイエンスを行う人」を英語で「サイエンティスト」といいます。私は今日、間違いなく「サイエンティスト」でした!
残念なことがひとつ
残念なことが一つあります。通常IHヒーターで金属製の鍋やフライパンを使用した時、鍋底だけでなく、その鍋全体が熱源となり、火を使うよりも早く加熱することができます。
しかし、土鍋の中に鍋敷きを入れてIHヒーターを使った時、熱源は小さな鍋敷きの部分だけ。圧倒的に熱源が小さく、加熱のスピードが遅い。おそらく、電気代も普通に鍋を使うよりもかかっていると思います。
今回検証できたのは、IHヒーターで土鍋を使うことができるということで、「有効に使える」ということに関しては別問題である、ということです。なかなか残念ですが、興味深い実験でした。はい。