ええかっこしいの牛売り|さあ、また壺を売ってあげますよ

前回の旅館の話が思いの外好評でした。

前回が思いのほか好評

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壺を売ってかなり儲かりましたので、今日も壺売りに精を出したいと思います(笑)。

遊牧民の話

父、母、兄、妹の4人と、17頭の牛を連れて遊牧の生活をしている家族がいました。

残念ながらある日、お父さんが事故で亡くなってしまいました。

お父さんは生前、遺言をしたためていました。

お母さんは財産の2分の1を、息子は財産の3分の1を、娘には財産の9分の1をそれぞれ分け与える

残された家族は、困ってしまいました。なぜなら、財産は17頭の牛しかいません。17は、2で割ることも、3で割ることも、9で割ることもできない数です。

ぜんぶ挽肉にして、重さで分配したとしても、その後の遊牧の生活ができません。

現れた牛売り

そこに、牛売りが現れました。家族の話を聞いて、「それなら、私がたくさん持っている牛から1頭あげよう。そうすれば18頭になるから、分けることができるよ。」と、1頭の牛をくれました。

18頭の2分の1なので、母は9頭をもらいました。

18頭の3分の1なので、兄は6頭をもらいました。

18頭の9分の1なので、妹は2頭をもらいました。

するとどうでしょう。9+4+2=17で、結局最初の17頭で分けることができてしまったのです。

当然、牛売りがくれた1頭の牛は返却しました。

牛売りは1頭の牛を損することもなく、この家族から感謝され、みんなから尊敬されたのでした。

別の家族が同じ悩みを

別の家族が、同じ悩みを抱えていました。

お母さんは財産の2分の1を、息子は財産の3分の1を、娘には財産の6分の1をそれぞれ分け与える

という遺言状でしたが、この家族が持っている牛は11頭でした。

そこに牛売りが通りかかりました。この牛売りは、先ほどの牛売りの知り合いで、上の話をよく知っていました。

この牛売りも英雄になろうとした

「私がたくさん持っている牛から1頭あげよう。そうすれば12頭になるから、分けることができるよ。」

先ほどの牛売りの真似をして、家族に1頭の牛を差し出しました。

「どうせ戻ってくるんだから。これで尊敬されるのならしめしめだ。」と考えていました。

12頭の2分の1なので、母は6頭をもらいました。

12頭の3分の1なので、兄は4頭をもらいました。

12頭の6分の1なので、妹は2頭をもらいました。

6+4+2=12です。ちょうど分けきってしまいました。

家族は牛売りに感謝しました。牛売りは、はじめの目的通り、家族から感謝されることはできましたが、大切な牛1頭が戻ってくることはありませんでした。

壺売りタイムです

さあ、はじめの家族と、あとの家族、何が違ったんでしょうね。

分からない方、連絡先をお教えください。言葉巧みに騙して、100円の壺を100万円で売りに行って差し上げますので。