相加平均・相乗平均の関係の証明をこんな風に教えてます

相加平均・相乗平均の話をします。

なに太郎だよ!

math

むかしむかし・・・

むかしむかし、あるところにおじいさんとおばあさんが住んでいました。

おじいさんは山へ芝刈りに、おばあさんは川へ洗濯に出かけました。

おばあさんが川で洗濯をしていると、川上から大きな (\sqrt{a} - \sqrt{b})^2 がどんぶらこ、どんぶらこと流れてきました。

持ち帰った

おばあさんは大きな (\sqrt{a} - \sqrt{b})^2 を持ち帰り、おじいさんに見せました。

爺「おお、これは立派だ。さっそく開いて(展開して)みよう!」

婆「おじいさん、a と b は負でない数ですよね。ならばカッコの中は実数じゃから、カッコの2乗はゼロ以上ですよ。」

爺「そうじゃ、そうじゃ。(\sqrt{a}-\sqrt{b})^2 \ge 0 じゃ。」

中から元気な・・・

おじいさんが中を開けて(展開して)みると、中から元気な a-2\sqrt{ab}+b が産まれました。

爺「おお、これは元気な子じゃ。」

婆「つまり a-2\sqrt{ab}+b\ge 0 ですね。」

爺「そうじゃ。a+b \ge 2\sqrt{ab} じゃ。」

等号は・・・

爺「ちなみに、等号はいつ成り立つんかいのぅ?」

婆「いやですよ、おじいさん。カッコの中がゼロになるときだから、a=b のときに決まっているじゃないですか。」

爺「おお、そうじゃった、そうじゃった。わっはっは・・・」

相加平均・相乗平均の関係

みなさん、相加平均・相乗平均の関係を覚えていらっしゃいますか?

高校の教科書に出てきます。ゼロ以上の数であれば、足して2で割ったものよりも、かけてルートを付けたものの方が小さくなる、という関係です。

足して2で割ったものも、かけてルートを計算したものも、どちらも「平均」なんです。

n 個のデータについて、合計をnで割ったものを「相加平均」といい、全ての数をかけたもののn乗根を「相乗平均」といいます。

相加平均と相乗平均では、必ず相乗平均の方が小さくなります。良くて引き分けです。

何に使う?

これを何に使うのか。基本使う場面なんてありませんよ。

あえて言うなら、テストで平均点よりも高い点数を取ったら何か買ってもらえると親と約束したとしましょう。

結果、自分の点数が平均点よりもほんの僅かに下回っていたとします。

そんなとき、全員の点数を調べ、その点数の全ての積を計算し、相乗平均を割り出します。

すると、一般的に言われる平均、つまり相加平均よりも、相乗平均の方が低い値になる。要はハードルが下がります。

これであなたも、好きなものを買ってもらえるって訳です。

実際には

相加平均・相乗平均の関係は、高校の数学では不等式の証明や最大値・最小値の問題で使うことが多いですね。

やはり、実際の生活で使う場面を探すのは難しいです。数学っておもしろいですね。