小林麻央さんが今年の100人の女性に選ばれた報道に違和感を感じた
乳がんで闘病中の小林麻央さんが、イギリスBBCが選ぶ「今年の100人の女性」に選ばれたという報道を朝のニュースで聞きました。
病気「なのに」前向き?
朝、仕事に行く前に家のテレビから流れてきたニュースで知ったんですが、そのときにキャスターが言っていたセリフにすっごい違和感を感じたんです。
こんな感じのことを言ってました。
病気「なのに」前向き?おかしくないですか、この表現。
この次に、この人がどう考えるのか、想像してみたんです。
これって、完全に上から目線じゃないですか。
気づかないうちに上から目線
病気や障害で、将来に不安を感じざるを得ない状況で、前向きに考えて気持ちを奮い立たせて頑張る姿は、間違いなく尊いものです。賞賛に値するものだと思います。素晴らしい。
でも、「だから自分も頑張ろう」「勇気をもらった」は話が違う。
この点に関しては、以前にも記事に書いたものです。ブレてないですよね。
作り話をします
作り話をします。
手の不自由な人がいたとします。
手が使えないので、口に筆をくわえ、必死に練習を重ねて、とても素敵な字が書けるようになったとします。
その姿を見た人が、手紙を書きました。
手が使えない人でも、あんなにステキな字が書けるんだから、手が使えるわたしはもっと練習をしてキレイな字が書けるようにしなきゃならないと思いました。勇気をもらいました。ありがとう。
どうですか?差別に満ち溢れてますよね。
意識してなくても、こういう思考回路になってるんです。
報道について
上に書いた小林麻央さんの報道について、BBCがそういった意味で選んだのではないと信じたい。マスコミがそういう意味で報道したのではないと信じたい。
でも、受け取る側がこういう意味にとってしまったら、もうダメなんですよね。
とか言ってる時点で、すでに上から目線なんですよ。
そして、その感動を押し売りするような番組やネットの記事が溢れ返っていることにすごく危機感を感じるんです。
どうですか?聞いたことのあるような言い方でしょ。
どうか、意識して聞いてみてください。
テレビで言ってますよ。ラジオで言ってます。へたすりゃ、学校の先生が生徒の前で言ってます。
やっかいなのは、言ってる人に差別してる意識が無いってこと。
前回と同じまとめ
あえて前回の記事と同じまとめをしたいと思います。
障害のある人たちは、健常者に比べて不便な場面があることは否定できない事実です。
そのような場面で、助け合うことは人として大切なことです。
しかし、そうでない場面において、障害のある人たちを特別視することはおかしなことです。
気付きましょう。障害のある人は、「かわいそう」と思われるべき存在ではありません。
「不便なのにすごい」と思うのは健常者の思い上がりで、見下した考え方です。