「自然対数の底」にたどりつくためにいろいろと書いてみました

今日は「自然対数の底」について書きます。

分数について

11742947_933700526708424_6700028812451989034_n

まずは分数のお話です。

\dfrac12 は、1つのスイカを2人で分けた1人分という意味ですよね。

\dfrac1{100} は、1つのスイカを100人で分けた1人分という意味です。

\dfrac1{100000000} は、1つのスイカを1億人で分けた1人分という意味です。もはや1人分は無いに等しいっす。

無限大について

無限大の話をマジメにやると、めっちゃ難しい話になりますので、めっちゃ噛み砕いた感じで。

おまえの知っている一番大きなモノを想像してみろよ。
想像したよ。で、なに?
オレの愛情は、それよりも大きいんだ。ハニー。

これが無限大の概念です。つまり、何よりも大きいものよりもさらに大きい。

無限大分の1

無限大を \infty と書きます。数字の8を横に倒したようになっているので、なにーズ事務所か知りませんけど「エイト」とか呼んでますが、8ではありません。

\infty は数字ではありませんので、代入とか計算とかはできないんですが、乱暴に言うと \dfrac1{\infty} は0です。

本題に入りましょう

\left( 1+\dfrac1n \right)^nn\infty まで大きくすることを考えてみましょう。

n\infty になるので、\dfrac1n は0になる。

カッコの中は 1+0 で1になる。

(1+0)^n=1^n=1 ということで、答えは1である。

・・・と、これは間違いなんです。

実験すれば間違いとわかる

n=10 のとき、\left( 1+\dfrac1{10} \right)^{10} = 1.1^{10}=2.59374246\cdots

n=100 のとき、\left( 1+\dfrac1{100} \right)^{100} = 1.01^{100}=2.704813829\cdots

n=1000 のとき、\left( 1+\dfrac1{1000} \right)^{1000} = 1.001^{1000}=2.716923932\cdots

n=10000 のとき、\left( 1+\dfrac1{10000} \right)^{10000} = 1.0001^{10000}=2.718145927\cdots

このように、n を増やしていっても1に近づくことはありません。

自然対数の底

n を無限大に近づけると、\left( 1+\dfrac1n \right)^n の値は 2.718281828459045\cdots という数に近づくことが分かっています。

この数のことを数学では e と名付けています。e を自然対数の底といいます。

自然対数について詳しく述べることは今回は避けますが、前回話をした対数で底が e であるとき、底を書くのを省略するという慣習があります。

数学にはこんな数があるってことです。この記事は次の記事への布石です。