コウチとコウキチ

我が家では「コウチ」という犬を飼っていました。

メスのトイプードルで、生まれて5ヶ月で我が家にやってきました。
とても従順で、とても賢くて、とても大切な家族でした。

コウチはわたしたちのことが大好きでした。

わたしたちも、コウチのことが大好きでした。

とても楽しく、とても大切な時間を過ごしました。
コロナ禍の令和2年5月19日、コウチは天国に旅立ちました。

5月16日からどうも様子がおかしく、近くの動物病院に連れて行ったのですが、ひとまず様子を見よう、とそのまま帰宅しました。
18日の夕方に、やはり様子がおかしいので同じ病院に連れていき、検査をしたのですが、やはり異常は見つかりませんでした。帰宅後もずっと元気がなく、いつものコウチではありませんでした。

その夜、容態が急変し、深夜の緊急医療の動物病院に連れて行ったときには、すでにコウチは力尽きていました。

2歳5ヶ月。あまりにも短い生涯でした。
とても悲しくて、とても悔しくて、家族みんなで泣きました。

ささやかながら、コウチとお別れをしました。
コウチより可愛い犬なんかいるはずがない、と、二度と犬を飼うことはない、と思いました。

しかし、コウチと過ごした2年間が、本当にわたしたち家族を癒やしてくれていたことが、日を追うごとに分かってきました。
コウチがいない寂しさに耐えきれず、コウチを売ってくれた「ドッグハウスすえなが」さんを訪ねました。

そこで見せていただいたのが、ノーフォーク・テリアという犬のオスの赤ちゃんでした。
犬種も違う、性別も違う。コウチとは全く違う犬なのに、なぜかコウチに似ている気がしました。

誕生日を聞きました。5月25日でした。コウチが天国に旅立った6日後でした。
これはコウチの生まれ変わりかもしれんね

家族でよく話し合い、よく考えて、この子を我が家に迎えようということになりました。

8月8日、この子が我が家にやってきました。
わたしたちは、この子に「コウキチ」という名前をつけました。

コウキチは、コウチとは全く違う子でした。

コウチはとてもおとなしい子でした。コウキチはとてもやんちゃな子です。

コウチはとても少食でした。お皿にあげたドッグフードを、1日かけても食べ終わらないような子でした。

コウキチはとても大食漢です。食欲のモンスターです。お皿に上げたドッグフードを食べ終わって、皿まで食べようとしました。おかげで皿が2つ破壊されてしまい、今では金属製の皿です。

でも、コウチもコウキチも、わたしたちのことを大好きでいてくれます。
わたしたちも、コウチもコウキチも大好きです。

コウチのことは忘れられません。今この記事を書いているときも、悲しくて泣きそうになります。

コウキチはとても暴れん坊です。ケージから出すと、家の中を引っ掻き回してしまい、大変です。コウチとは大違い。

家の中を荒らし回るコウキチを追いかけていることで、コウチのことを思い出して悲しむような状態じゃなくなるんです。

思ったんです。ああ、これはコウチがやらせてるんだ、と。コウキチを暴れさせて、わたしたちが悲しむ気持ちを逸らそうとしてくれているんだ、と。
10月から、コウキチと毎日の散歩が始まりました。

朝は出勤前なので5時30分から6時までの30分間。

夜はわたしが帰宅してからやはり30分程度。

コウキチは散歩をとても楽しみにしているようです。

ただ、全く言うことを聞いてくれませんが。
コウチと歩いていたコースと全く同じコースを歩いています。

コウチは一度に歩くことができず、何度も何度も立ち止まっていました。今から考えると、体が弱かったのかもしれません。

コウキチは同じルートを一気に駆け抜け、帰宅してからも「もう一回行こう」とおねだりするほどです。

今回再開した減量部物語は、コウキチなしでは語れません。コウチとの大切な思い出と、コウキチとのこれからの思い出。

どちらも大事にしていきたいですね。